遺言の実際…署名押印

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遺言の署名押印…実際には



遺言の実際…署名押印


自筆証書遺言には自署押印が必要です。安全なのはきっちり署名して実印を押すことです。でもきわどい事例がたくさんあります。

実際の裁判所の判断をみてみましょう。

■遺言者が、自筆証書遺言をするにつき書簡の形式を採ったため,遺言書本文の自署名下には押印をしなかったが,遺言者であることを意識して,これを入れた封筒の封じ目に押印したものであるなどの事実関係の下においては,右押印により,自筆証書遺言の押印の要件に欠けるところはない(最判・平成6年6月24日)

■自筆遺言証書における押印は,指印をもって足りる(最判・平成元年2月16日)

■遺言書を封入した封筒の上下に封印の形で二つの押印が押捺されている場合に,適式な押印。(静岡地浜松支判)「

■自筆証書遺言には遺言者の押印がないが,これを入れた封筒の封じ目に封印をした場合,右遺言は無効ではない(東京高判・平成5年8月30日)

■横にのりづけされた2葉の遺言証書の1葉にのみ日付・氏名の自書・押印があるときでも,当初から1通の遺言書として作成されたことが判明すれば有効な遺言である。(最判・昭和36年6月22日)

■英文の自筆遺言証書に遺言者の署名が存するが押印を欠く場合において,同人が遺言書作成の約1年9か月前に日本に帰化した日系ロシア人であり,約40年間日本に居住していたが,主としてロシア語又は英語を使用し,日本語は片言を話すにすぎず,交際相手は少数の日本人を除いてヨーロッパ人に限られ,日常の生活もまたヨーロッパの様式に従い,印章を使用するのは官庁に提出する書類等で特に先方から押印を要求されるものに限られていた等の事情があるときは,右の遺言書は有効と解すべきである(最判・昭和49年12月24日)


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